なつかしさ感情の機能と個人差:認知・神経基盤の解明と応用
2016-04-01
~
2021-03-31 |
科研データベース 研究実績報告書
2016
2017 2018
0.News
心理学評論「特集:なつかしさの認知・神経基盤と機能」 刊行 New
本研究の目的は,なつかしさのもつポジティブ-ネガティブな機能の個人差に関して,その記憶-感情過程の認知的,神経科学的基盤を解明することである。さらに,なつかしさを用いた回想法などにおける効果的要因を特定し実践に役立てる。3つの研究課題と目的は以下の通りである。
A) なつかしさの機能と個人差の認知基盤を調査や実験を用いて解明し,個人差測定のための尺度や課題を開発する。あわせて,比較文化研究を英国の研究グループと共同で実施する。
B) なつかしさの機能と個人差の神経基盤を健常者に対するfMRI実験などを用いて解明する。
C) 軽度認知症患者におけるなつかしさを利用した回想法の効果に影響する要因と神経基盤を解明し,軽度認知症患者に対する個人差に配慮した有効なアプローチを開発する。
2.研究組織 2020年度-
研究代表者
楠見 孝 京都大学, 教育学研究科, 教授 (70195444)
研究分担者
松田 憲 北九州市立大学, 大学院マネジメント研究科, 教授 (10422916)
杉森 絵里子 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (70709584)
米田 英嗣 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)
高橋 英彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60415429)
葛谷 聡 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30422950)
野村信威 明治学院大学,心理学部,准教授
研究協力者
村井俊哉 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授
堀 朝樹 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座精神医学教室客員研究員
池田寛香 京都大学, 教育学研究科 M2
3.主な文献
心理学評論「特集:なつかしさの認知・神経基盤と機能」 巻頭言PDF刊行 New
楠見 孝 (2021). なつかしさの認知 - 感情的基盤と機能─個人差と年齢変化─ 心理学評論, 64,5-28. PDF PDF New
楠見 孝編 (2014).なつかしさの心理学:思い出と感情 誠信書房 正誤表
Hepper, E. G.,
Wildschut, T., Sedikides,
C., Ritchie, T. D., Yung, Y., Hansen, N., Abakoumkin, G., Arikan, G.,
Cisek, S. Z., Demasosso, D.B., Gebauer, J.E., Gerber, J.P., Gonzalez, R.,
Kusumi, T., Misra, G., Rusu, M., Ryan, O., Stephan, E., Vingerhoets, A.J.J.M.,
Zhou, X. (2014). Pancultural Nostalgia: Prototypical Conceptions
Across Cultures, Emotion, 14, 733-747.
[PDF]
Sugimori, E. & Kusumi,
T. (2014). The similarity hypothesis of déjà vu: On the relationship between
frequency of real-life déjà vu experiences and sensitivity to configural
resemblance, Journal of Cognitive
Psychology, 26(1) 48-57.
Sugimori,
E., Matsuda, K., & Kusumi, T. (2011). The contradictory effects of nostalgic advertisements on
nostalgia for products and on remembering advertisements. Japanese
Psychological Research,53(1),42-52.
Kusumi,
T., Matsuda, K., Sugimori, E. (2010). The effects of aging on nostalgia in consumers’advertisement processing. Japanese Psychological
Research,52(3),150-162. 解説 [PDF]
楠見 孝・松田 憲・杉森絵里子 (2009) 広告と消費者心理:単純接触効果による安心感とノスタルジア 基礎心理学研究 ,28(1),142-146. HP
楠見, 孝, 米田, 英嗣 (2018). “聖地巡礼”行動と作品への没入感:アニメ、ドラマ、映画、小説の比較調査 コンテンツツーリズム学会論文集, 5:
2-11 {PDF}
4. その他
楠見 孝
(2019). 心理とデザイン:なつかしい記憶による幸福観と社会的絆 デザインレクチャー 2018 Season II 2019年3月1日(金)
楠見 孝
(2019). なつかしい記憶と他者との絆 協調的知能共同研究講座シンポジウム「時間と記憶 〜自己と他者のあいだの礎〜」 2019年3月8日(金)
2021.9.10