アーベント会のお知らせ ABEND NEWS


ごあいさつ

 小雪の候、皆様ご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より、アーベント会(教育学部旧Cコース・教育心理学系同窓会)にご支援をいただき、まことにありがとうございます。オープンキャンパスなど、今年度からコロナ禍以前の形式に戻った大学行事も多く、構内にも以前の活気が戻ってきた感がいたします。6月には、昨年度に引き続き歓迎会として教育心理学系の3回生、4回生と対面での昼食会を開催することができました。熱心にご自身の話や質問をしたりする学生さんも多く、教員と直接話ができる機会があることは、学生生活での大事な一コマになるのだということを改めて感じた次第です。
 さて、この3月に、長年お世話になって参りました楠見孝教授(教育認知心理学講座)、髙橋靖恵教授(臨床心理学講座)が、ご退職に伴い京都大学を離れられます。最終講義のご案内を最終頁に掲載いたしました。多くの方にご参加いただけますと幸いです。
 当アーベントニュースにつきましては、以前からお知らせしております通り、令和元年度以降卒業の皆さまにはメールでお届けする運びとなりました。ご協力いただける方には、郵送ではなくメールでの提供へと変更させていただきたいと考えております。ご賛同いただけます場合、下記の手順に従い、メールアドレス登録のご協力をお願い申し上げます。
 卒業生の皆様のご活躍を祈念いたしますとともに、今後ともアーベント会をよろしくお願いいたします。

 

令和六年度幹事 畑中千紘

 

《アーベント会メーリングリストへの登録方法》

 下記のURLもしくは右のQRコードでGoogleフォームにアクセスいただき、必要事項を入力してください。ご登録いただいた方には、次号以降のアーベントニュースを、020abendnews<at>mail2.adm.kyoto-u.ac.jpよりメールでお届けいたします。なお、当会事務局より別途登録完了のご連絡はいたしませんので、あしからずご了承ください。 URL:https://forms.gle/9FaW5gz3nJ8iGh7Z9

 


就職者より一言

立命館大学 BKC社系研究機構 専門研究員 西口美穂

 2024年4月より,立命館大学BKC社系研究機構専門研究員として着任いたしました。京都大学教育学研究科在籍時は主に言語心理学を専門として,物語産出を支える認知メカニズムについて研究をしていましたが,現在は食マネジメント学部教授の和田有史先生のもとで,食と多感覚知覚に関する心理学研究に従事しています。
 学生の時とは大きく異なる研究分野である分,毎日が新しい経験の連続です。例えば,味覚に関する心理学実験を行う際,参加者に実際に飲んでいただく食塩水や砂糖水などの作成のために,白衣を着てビーカーを使うことがしばしばあります。また,研究の前提となる知識もほぼ初学者レベルから学ぶ必要があり,関連研究として心理学に限らず,農学や動物実験などに関する論文や書籍を読むこともあります。企業・アカデミアや分野の違いも越えて様々な人と交流する機会も格段に増え,自分にとって,とても大きな環境の変化となりました。
 それでも,根幹としては京大在籍時にやっていたことと変わらない,という思いもあります。新たな領域の知識をどのように学んでいくか。一つのテーマからどのように文献を探し,研究の背景としてまとめるか。実験の全体的な手順や,データ化・統計的分析の方法。日々の研究に関するタスク管理。学会発表,論文執筆の方法。それらは京都大学教育学研究科の研究生活の中で身に付けてきたものであり,多くの方々に助けられながらそれらを学ぶことができた有り難さを,日々実感しています。
 今後も教育学研究科での生活を通して教えていただいたスキルを発揮しながら,そして現所属ならではの新たなスキルを身に付けながら,研究に励んでいきたいと思います。

 


大学院生より一言

修士課程1年 溝脇風子

 教育認知心理学講座修士課程1年の溝脇風子です。昨年京大の教育学部を卒業し,教育学研究科に入学しました。私が大学院に進学した理由は,心理学が好きで,研究を続けたいと思ったからです。非常に単純な理由ですが,自分が心から続けていきたいと思うものに出会えたのは,本当に幸運なことだと感じています。子供の頃から,自分自身が興味を持って取り組み始めて,積極的に続けてきたものはあまりありませんでした。取り立てて趣味もなく,何かに夢中になる経験は自分には訪れないんじゃないかと思っていました。そんな中,思い返せば心理学らしきものにずっと興味を持っていました。小学生くらいの頃から,子供向けの心理学の本を図書館で借りて読んでいたのを覚えています。進学先を決めるときも,とにかく心理学を学べるところに進学したいと思って調べて,教育学部に進学しました。しかし,1・2回生頃の私は受動的に講義を受けているだけでした。卒業後本当にやりたいことを考えたときにはじめて,自分は他のものよりずっと心理学に興味があって,それを自分で研究していきたいということに気づきました。最先端の心理学研究をしている先生がいて,大学院進学を積極的に勧めてくれる大学にいたのは,非常に幸運なことでした。今は,大学院で非常に整った環境の中で研究をさせていただき,半年経っても変わらずやっぱり楽しいと感じられていて,とても幸せです。学会や講演会,他大学の方との交流の場など様々な学びの機会があり,忙しいですが刺激的で充実した毎日です。自分で興味があることに積極的にかかわり,これからも楽しみながら研究を続けていければと思います。

 


4回生より一言

教育心理学系4回生 高田実佳

 私は他の大学を卒業し、社会人生活を送った後、学士入学生として京都大学で心理学を学び始めました。仕事を辞めてもう一度大学に入り直すということは、今思えば大胆かつリスクのある決断だったと思いますが、後悔はしていません。その道の専門家である先生方に教わり、同じように人の心に興味のある仲間と助け合い、切磋琢磨しながら勉強に勤しめることは大変贅沢なことだと感じています。そもそも私が心理学を大学で学びたいと思った理由は、主観的な視点と客観的な視点を両方扱う心理学の学問としての魅力に惹かれたと同時に、心理学を学ぶことでヘルスケアに携わる上でより幅広い支援が可能になるのではないかと考えたからです。以前はヨガインストラクターとして人々の健康をサポートしていました。そこでは、主として自分の経験に基づいてお客様にアドバイスをしていました。しかし、生まれ育った環境、今置かれている状況、元々の気質や体質などが異なる他人に自分の経験をそのまま当てはめることはできないと感じ、自分の実体験のみに頼らないサポートをしたいと考えるようになりました。入学後は、新しい大学、新しい人、新しい学問分野、といったように新しいことの連続で最初はあたふたしていました。しかし、心について勉強すればするほど、「人の心を一生分かりきることはできない」ということを痛感させられたり、これまで思っていた自己像が崩れたり、本当に毎日が学びの宝庫です。このように京都大学での学びは当初の目的であった「心理職の資格取得」という枠組みを超え、自分個人の人間力を鍛える貴重な機会となっています。

 


現況報告(2024年10月26日現在)

現スタッフ
  教育認知心理学講座    :楠見孝教授、エマニュエル・マナロ教授、齊藤智教授、
                野村理朗准教授、髙橋雄介准教授、田口真奈准教授、
                西山慧助教
  臨床心理学講座      :髙橋靖恵教授、田中康裕教授、西見奈子准教授、
                梅村高太郎准教授、野口寿一准教授、立木康介教授*、
                清重英矩特定助教
  連携教育学講座(臨床教育実践研究センター)
               :松下姫歌准教授、畑中千紘准教授、水野鮎子特定助教

  *人文科学研究所

教室構成
  学部生:3回生20名、4回生22名
  院生:認知系28名(M1:5、M2:7、D1:6、D2:1、D3以上:9)
     臨床系41名(M1:6、M2:12、D1:7、D2:4、D3以上:12)

就職状況(2023年度卒業・修了生)

院生以上:
 
 
金沢大学附属病院・富山短期大学・富山県立大学・守山市福祉保健センター・京都府教育委員会・大阪府教育委員会・長浜赤十字病院・パーソルキャリア株式会社・株式会社日本文化科学社・法務省・京都文教大学・立命館大学・ミズノ株式会社・トランスコスモス株式会社 他
学部卒業生:
進学:
就職:
 
京都大学大学院教育学研究科・京都大学大学院文学研究科・首都医校 他
神戸少年鑑別所・関西電力・大阪ガス株式会社・株式会社リクルート・チームラボエンジニアリング株式会社・株式会社Speee・株式会社B.B.スタジオ 他

最終講義のご案内

《楠見 孝 教授 最終講義》
日時: 2025年3月15日(土)15時~17時 (予定)
場所: 京都大学 国際科学イノベーション棟 5F シンポジウムホール
講義題目:「教育認知心理学:軌跡と未来(仮題)」

《髙橋 靖恵 教授 最終講義》
日時: 2025年3月23日(日)14時~15時 
場所: 京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホール(大ホール)
講義題目:「心理臨床家としておもう“時間と言葉”」

いずれの講義も京都市左京区吉田本町 京都大学吉田キャンパス内で行われます。
詳細につきましては、京都大学および教育学研究科・教育学部のホームページで追ってご案内いたします。


お問い合わせ

〒606-8501 京都市左京区吉田本町 京都大学大学院教育学研究科内 アーベント会

Tel.075-753-3050 Fax.075-753-3049
Email. 020abend<at>mail2.adm.kyoto-u.ac.jp (<at>を@に置き換えてください)

 [ 教育学研究科Top ]