問題提起:感情

教育2回 岩城晶子

 

     感情に伴う身体部位の反応や顔面部位の変化を,そのまま描写した感情表現の存在

              ex.「手がわななく(悲しみ)」「腰を抜かす(驚き)」,「眉をひそめる(不快)

              →変化を「そのまま」描写したものが感情を表す普遍的な表現として広く受け入

               れられていることから考えると,身体部位の変化で感情を表す能力は,生得的

               に備わっていると言えるのか?

               感情表現のしかたは周りの環境に影響されるのか?

               (ヒトが存在しない環境で育った人間の感情表現など・・・ex.アヴァロンの野生児)

 

     数多くの比喩表現が,複数の言語間で共通している。

              ⇒イメージスキーマ・モデルが多くの人々に共有されているため.

              →感情の萌芽のようなものを人間は生得的にもっているのか?

               それはヒトだけでなく,動物全てに共通のものだろうか?(ex.恐怖など)

               (どんなに多くの経験をしても,それが何らかの感覚と結びつかなくては「感情」

               にまで発展せず,またスキーマとして残らないのではないだろうか.そして,

               経験と感覚を結び付けて「○○という感情だ」と理解するには,まず「○○と

               いう感情」についての知識が必要である.しかし生後間もない子どもにはその

               ような知識を保持することは不可能だと考えると,一体最初の感情はどのよう

               に芽生えるのか・・・という堂々巡りの疑問が残る.そもそも感情=言葉によって

               理解できると考えるところが間違いか。)

 

     感情に関する概念は,社会化・文化的学習によって獲得される.

            ・・快−不快などの基本的感情ではなく,恋愛感情などのより複雑な感情は,文化

               によって創られると言える.

              ex.青年期の男女は,マスコミや他者との関係の中で恋愛感情を動機づけている.

              →・所属する社会や文化圏が変わると,感情に関する概念も変わっていくのだろ

                うか?

     社会において変化が起これば,新しい感情が生まれることはあるだろうか?

 

参考文献

コーネリアス,R,R 斉藤勇監訳 1999 感情の科学―心理学は感情をどこまで理解できたか―

 誠信書房

楠見 孝 1996 感情概念と認知モデルの構造 土田昭司・竹村和久(編) 感情と行動・

 認知・生理 (pp.29-54) 誠信書房