2015年6月13-19日に、Mind & Life Instituteがニューヨーク郊外で開催したMind & Life Summer Research Instituteに参加して、ポスター発表を行ってきました。Mind & Life Instituteは、25年以上にわたりダライ・ラマ法王と科学者の対話を支援してきた研究所です。またMind & Life Summer Research Instituteは、Contemplative Studies(Contemplative Practiceによって身心の健康の増進や社会的な調和を導くような『こころ』の育みかたや、『こころ』そのものに関する研究)という、新しい研究領域を本格的に発展させるために、この研究領域に関心のある若手研究者の育成やコミュニティーの形成を促進することを目的として毎年開催されているセミナーです。
セミナー会場 |
参加者は、欧米を始め世界中から集まってきた研究者や若手研究者150名程度で、専門領域も神経科学・心理学・医学・教育学・哲学・芸術など多岐にわたっていました。特徴的だったのは、ほぼ全ての参加者が、瞑想・ヨガ・太極拳などなんらかのContemplative Practiceの実践者で、それらを体験的に理解しているという点でした。
プログラムは、泊まり込みの7日間で、1日のスケジュールが毎朝ヨガと瞑想から始まり、R. Davidsonを始めとするこの研究領域の先駆的な研究者の発表が3回と学際的なグループディスカッションが2回あり、最後は太極拳と瞑想で終わるという、とてもユニークで濃密な内容となっていました。さらに4日目には、参加者全員が沈黙を守り、1日中瞑想を実践するという集中的な瞑想実践の日まで設けられていました。このプログラムからは、Contemplative Studiesという研究領域においては、Contemplative Practiceの実践を通じた体験的理解と、その体験的理解を中心として様々な文化的・学問的背景をもった研究者たちが対話することが重要であることを実感できました。どの発表・グループディスカッションも刺激的なものばかりだったのですが、その中で一番印象に残っているのは、R. DavidsonによるContemplative Neuroscientistを目指す若手研究者のためのグループディスカッションです。R. Davidsonは、「Contemplative Neuroscientistになるために重要なことは、①Contemplative Practiceを積み重ねること②Neuroscienceの研究に専念すること③あきらめないことの3つです」と言っていました。一番最初に実践を積み重ねることが挙げられたことが、自分が考えてきたことと同じであったため、とても嬉しく、少し自信と覚悟が湧いてきました。
ポスター発表では、自分の瞑想実践を通じて出てきた研究テーマを基礎として、集中瞑想と洞察瞑想の違いを解明するために瞑想実践者の脳活動をfMRIで測定した研究について発表しました。多くの研究者が興味を持って話しを聞きにきてくれ、様々な視点からアドバイスをしてくれました。嬉しいことに、何人かの若手研究者とは同じような研究テーマに興味があることがわかり、今後共同研究ができないかという話しで盛り上がりました。
発表の様子 |
このセミナーは、参加者全員が泊まり込みで、一緒に食事をし、一緒にContemplative Practiceを実践するという形式であったためか、通常の学会と比べて、より多くの若手研究者とより深い人間関係を築くことができました。彼らの多くは、私が今まで読んできたContemplative Neuroscienceに関する重要な論文を執筆しているような先駆的な研究者たちの研究室に属しており、彼ら自身も将来的にContemplative Neuroscienceを背負っていく研究者になるのだろうと感じました。そしてそのような若手研究者と早い時期から深く知り合うことができるこのセミナーが、とても恵まれた環境であることに気づきました。
今回このセミナーに参加することで、日本でContemplative Neuroscienceを定着させ発展させていくことに貢献したいと強く考えるようになりました。またそのための重要な一歩として、この“Contemplative”にあたる訳語としてどのような日本語を用いていくべきかというとても重要な課題にも気付くことができました。さらに、日本でもContemplative Studiesの研究を進める若手研究者の方々と深い人間関係を築いていきたいと考えるようになりました。これを読まれた日本の若手研究者の方々、ぜひ一緒に来年度以降のMind & Life Summer Research Instituteに参加して、Contemplative Practiceを実践しながら、いろいろとディスカッションをしましょう。
今回、このセミナーに参加するにあたり、紹介状の作成やポスターの内容を確認していただいた教育学研究科の先生がたや、渡航のサポートしていただいたデザインスクールの皆様に心より感謝いたします。
ルームメイトと |
(2015年6月28日記)
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修士2年次の春休みに,Birkbeck, University of LondonのCentre for Brain and Cognitive Development(CBCD)の千住淳先生の研究室と子安研究室との間で開催された研究交流発表会に参加するために,ロンドンを訪問しました。私にとっては,初めてのヨーロッパ,初めての海外のラボ訪問という機会となり,とても貴重な経験になりました。
研究交流発表会では,千住研究室と子安研究室に所属する院生3名ずつが自分の研究内容について発表し,ディスカッションを行いました。私はこれまで日本国内の英語の授業では英語で研究発表練習をしたことはありましたが,海外で実際に英語の発表を行うのは初めてだったので,大変緊張しました。繰り返しの事前準備のおかげで,当日は無事やり遂げることができましたが,発表の構成,強弱のつけ方,発音など,英語でのプレゼンテーションに必要不可欠な点について見つめ直すよい機会となりました。また,千住先生のラボに所属する院生の方の発表もどれも興味深く,積極的に質問を出し,議論を行うことができました。
発表会後は,Birkbeckの CBCDのBabylabおよび心理学部の実験室や院生室を見せていただきました。Babylabは,主に乳幼児を対象としたラボであるためでもあるとは思いますが,全体的におしゃれな印象を受けました。また,研究発表のポスターや,発刊した論文のタイトル部分が飾ってある点も印象的でした。日本と同じ点や違う点など,色々な新しい発見があり,大変面白かったです。
懇親会では千住先生から,イギリスに滞在されることになった経緯,研究時に心がけていること,イギリスでの研究環境と日本での研究環境との違い,海外の滞在先のラボを探す上で気をつけることなど,多くの興味深いお話を伺うことができました。ちょうど私は,これから博士課程に進学するにあたって,自分がどんな研究者で在りたいか,どういう方向に自分の研究を進めていきたいかを考えているところだったので,千住先生のお話はとても参考になりました。
また,研究交流発表会の前後の日では,University of Oxfordにデータ収集のために滞在していた日本人のポスドクの方にお会いしたり,Dr. Iroise Dumontheilが開催された研究会に参加したりする中で,幅広い研究内容や考え方に触れることができました。どの方も自分の研究を心から楽しんで行っている姿が心に残りました。
海外で精力的に研究を行っている方々と交流することができた今回の機会は,私自身の今後の研究者としての在り方を考えていく上で,非常に良い刺激になりました。私も彼らに負けずに,面白く意義のある研究をしていきたいと思います。このような貴重な機会を提供していただいた方々に心から感謝しています。
(2013年2月18日記)
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2013年2月10日から15日まで,University of LondonのBirkbeck校の千住淳先生の研究室とのワークショップ(KYOTO-BIRKBECK STUDENT EXCHANGE WORKSHOP Social cognition: From infancy to the aging population)に参加するため,英国ロンドンに滞在しました。
年明け早々に子安先生から届いた,1ヶ月後に英国に行くことは可能かというメールに,急な話であったにもかかわらず,私は二つ返事でOKをしました。今年度で大学を離れ,4月から特別支援学校の教員として就職する私にとって,修士で行なった研究を海外で発表できる機会はまたとない貴重なものであると思ったからです。
英語で口頭発表をしたことがなく,短い準備期間で発表準備をすることに,少なからず不安もありました。しかし,子安研究室のみなさんや友人にサポートしていただき,資料のチェックや発表練習を繰り返し行うことで,何とか自信を持って発表することができました。ワークショップ当日は,自分の研究に対する貴重な意見をいただくことができ,大変有意義な時間を過ごすことができました。私の研究テーマには文化差があると常々思っていましたが,実際に海外で発表をすると,日本人の子どもの研究結果に驚かれ,興味を持っていただけたことも自信につながりました。正直なところ,ワークショップ中は,英語で交わされる議論についていけず,自分からBirkbeckの院生の方に話しかけることもほとんどできなかったため,これまで英語の学習を怠っていたことを後悔しました。けれども,晩に開かれた懇親会では,身振り手振りを交えながら楽しく会話をすることができました。様々な国の人々との出会いがあることも,研究の魅力のひとつであると改めて感じました。
今回の海外訪問は,初めての英語での発表,初めての海外のラボ見学,初めてのロンドン観光(余談ですが,本場のミュージカルは素晴らしかったです!)と,何もかもが新鮮で刺激的な旅となりました。何より,修士の終わりに研究室のメンバーと海外に行くことができたことが,かけがえのない思い出となりました。
さらに,今回の海外訪問で,研究をすることの楽しさを改めて感じ,大学院を離れることに寂しさを感じました。研究とは遠い実践の場に就職してからも,この経験をしっかりと生かしていくことができる人材になりたい,と思うことができたのも,今回の海外訪問の大きな成果であると思います。大学生活の最後にこのような機会を与えていただき,ワークショップを企画運営してくださった子安先生,千住先生に心から感謝しています。
(2013年2月17日記)
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博士1年次の春休みに Birkbeck, University of LondonのCentre for Brain and Cognitive Development, Department of Psychological Science, 千住淳先生の研究室に子安先生,子安研のメンバー2人と一緒に6日間訪問させていただきました。自分にとっては修士1年次の1ヶ月間,博士1年次の後期の3ヶ月間のイギリス研究滞在に続いての3度目のイギリスでした。
到着した次の日はBirkbeck のIdalmis Santiesteban さんと面会しました。Santiesteban さんは自分の研究で用いているDirector Task を用いて研究をしている研究者で,前回の滞在の後半にUniversity College London のProf Uta Frith に紹介していただいたのですが,自分の帰国が迫っており,会うことができず,メイルのやりとりをして交流をしていました。今回Birkbeck を訪問すると言うことでアポをとり,研究について,また将来的な共同研究の可能性についてお話をしました。
三日目は,Oxford University を訪問し,滞在されていた東京大学大学院教育学研究科の平田佐智子さんにOxford を案内してもらいました。大学街 Oxford の雰囲気を感じ,よい経験になりました。
四日目には千住先生の研究室と子安研とで合同ワークショップを行い,ラボを案内してもらいました。同年代のイギリスの院生さんがどのような研究を行っているのかを知ることができてよい刺激をうけました。この会はイギリス人はおらず,国際色豊かでした。夜の懇親会では,それぞれの国の宗教や社会について異なるバックグラウンドをもつ人たちの話を聞き,とても興味深かったです。
五日目にはBirkbeck の Dr Iroise Dumontheil がコーディネートしてくれた Director Task meeting に参加し,発表を行いました。 Dumontheil 先生は僕が M1になって研究を始める時に初めてメイルをした研究者で,タスクについて質問をすると,僕がタスクを使いやすいように色々手助けをしてくれた方です。前回のイギリス訪問の時に面会し,僕の研究について色々コメントをいただき,次回の僕の訪問の際には研究会を開いてくれると言ってくれていました。そして今回の僕たちの訪問に会わせ,University College London のProf Sarah-Jayne Blakemore, King’s College London のDr Geoff Bird, そしてSantiesteban さんと Blakemore研の院生さんを呼んでDirector Task meeting を開催してくれました。同じような課題を使っているものの,それぞれのオリジナリティによって異なる結果がでている研究を議論しあうというとてもおもしろい研究会でした。イギリスの研究会に特徴的な発表中でもどんどん議論がわきあがるという状況に話を聞くのがやっとで発言ができなかったのが悔しかったので,英語を鍛えて次の機会にはもっと議論に積極的に参加できるようになりたいと思いました。そこで,Bird 先生と僕の次回のイギリス滞在についての話もでき,快く受け入れ研究者となっていただき,今から次回のイギリス滞在が楽しみです。午後は,その日にBlakemore 先生に教えていただいた講演会を聞きに行きました。
あっという間の6日間でしたが,研究面でとても有意義に過ごすことができました。また空いている時間には同行のメンバーと観光を行ったりミュージカルを鑑賞したりとイギリスの文化に触れることで色々な刺激をうけました。今回の旅はこれからの研究生活にとってすごく重要なものとなると思います。子安先生,千住先生をはじめ多くの方のサポートをうけ,このような機会をいただけたことに深く感謝いたします。
(2013年2月16日記)
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修士1年次の秋, 8月25日から9月7日にかけて海外研究室訪問と国際学会発表のためにイギリスとオランダを訪れました。大学院に入って半年でこのような機会をいただけることに驚きましたが, 研究者としてスタート地点にたった今, 自分の研究を世界の研究者にアピールできることに大きな喜びを感じました。一方, 英語には不安があって, 果たして自分の研究を正確に説明できるのか, 受け答えで詰まってしまったらどうしようかなど頭の中で想像しながら発表の練習をしました。さらに, 自分にとって, はじめての1人旅でしたので, 期待と不安でいっぱいになりながら出発の日を迎えました。
ロンドンではBirkbeck, University of LondonのCentre for Brain and Cognitive Development (CBCD)の千住淳先生とミーティングをしました。千住先生が自閉症の子どもたちとはじめて出会ったところから, 現在の研究にいたるまでの話がとても印象的でした。自分の研究にも興味を持ってくださり, 先行研究に大きくとらわれることなく子どもたちが織り成す「現象」を忠実に再現することが研究者の役目であるとアドバイスをいただきました。ミーティング後に, ラボを案内していただき, 多くの研究を生み出す最先端の設備を見ることができました。
また, エディンバラではUniversity of EdinburghのDr. Nicolas Chevalier とミーティングをしました。Chevalier先生は, 実行機能の研究をご専門とされていて, 研究関心が近いことから自分からメールをしてミーティングの機会をとっていただきました。英語での発表は, 想定通りに受け答えできずしどろもどろになることもありましたが, Chevalier先生はゆっくりと私の話を聞いてくださり, 有意義な時間を過ごすことができました。遠い存在だと自ら壁をつくるのではなく, 少し遠くても能動的に外に出て行くことが自分の研究を大きく飛躍させてくれることを改めて実感しました。
9月3日からは, オランダのアムステルダムで開催されたThe British Psychological Society Developmental Section Annual Conferenceという学会に参加しました。日本で参加した学会とは異なり, ランチタイムにポスター発表をするという形式でした。その1時間半だけはすべての研究者がランチをとりながら, ポスターを聞き入るという発表者側からすると出会いにあふれたセッションでとても魅力的でした。実際, 自分のポスター発表を多くの方が聞いてくださり, 今後の研究にも活かすことができるようなコメントもいただきました。
2週間という短い期間ですが, 今回の経験は刺激的で, 今後の糧となるに違いありません。海外の研究者にも負けじと, 子どもの見方ががらっと変わってしまうような面白い研究をしていきたいです。最後に, 今回の海外渡航にサポートをいただいたリーディング大学院デザイン学,ならびにお世話になったすべての先生方に心より感謝申し上げます。
(2014年10月6日記)
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「海外に行くなら,せっかくだから研究で行ってはどうですか?」
指導教員である子安増生先生のこの一言から私の海外経験は始まりました。自分では英語が得意だと思っていたのですが,大学院入試では英語の成績が悪かったというフィードバックを受け,私は大変ショックをうけました(メタ認知ができていませんでした)。そこで,海外に行けば英語もできるようになるだろうという安直な考えで,修士1年の春,先生に「長期休暇の時にカナダに語学留学に行こうと思います」とお話し冒頭のお言葉をいただいたのです。「なるほど、それは英語も心理学も勉強できてお得だな」と思った私は,自分の研究の先行研究著者の一人である,英国バーミンガム大学のIan Apperly先生の研究室を訪問すると決め,修士1年次の2011年2月から3月まで滞在しました。バーミンガム大学では,「心の理論」というタイトルの授業もあり,自分の研究トピックである心の理論について英国の学生と共に体系的に学ぶことができたのはとても大きな経験となりました。また,滞在中には子安先生からご紹介いただき,ランカスター大学のCharlie Lewis先生の研究室を訪問しました。ランカスター大学は発達心理学が盛んで,三日間の滞在でしたが,多くの発達心理学の最新トピックの話を聞くことができ,「ここにも長く滞在したいな」と強く感じました。他にも京都大学のGCOEのワークショップで出会った先生を訪ねてスターリング大学に訪問し,現地の学生と一緒に合宿に行ったのは良い思い出です。
その約1年後,博士過程に進学してすぐのガイダンスで「京都大学とランカスター大学で学術交流協定が結ばれているので,ランカスター大学に行きたい人は教員に申し出るように」というアナウンスがありました。「これだ!」と思った私は,すぐに先生に希望をお伝えし,修士1年の時に面会したLewis先生に受け入れをお願いすることになりました。また,当時京都大学こころの未来研究センターに滞在されていた英国プリマス大学で自閉症の研究をされているRebecca Mckenzie先生をご紹介いただき,英国滞在の前半(2012年9月から10月)はプリマス大学を訪問することになりました。その際,先生のご自宅で生活させてもらえることになり,先生と旦那さん,娘さんとネコと一緒にイギリスの家族生活を体験することができました。先生に ”Mikkaーーー (私の英国でのニックネームです)!Morning!!” と朝,起こしてもらい,娘さんに ”Mikkaーーー!!!Dinner” と夕食の準備ができたことを教えてもらう,とても楽しい毎日でした。滞在中に誕生日を迎えた私のことを,ご近所さんも呼んで盛大に祝っていただいたのはとても大事な思い出です。研究面でもMckenzie 先生の上司である Rod Parker-Rees 先生に自閉症研究の大御所であるUta Frith先生とSimon Baron-Cohen先生をご紹介いただき,滞在の最後にロンドンでFrith先生と面会することになったときはとても興奮したのを覚えています。
後半の10月から12月に滞在したランカスター大学は,毎週のようにゲストスピーカーが発達心理学の話をされるというとても贅沢な空間で,現地の学生さん達と交流しながら発達心理学の最新トピックを学ぶことができました。Lewis先生には,大学内外で大変お世話になり,色んなイベントに連れて行っていただき,論文の指導もしていただきました。そして,滞在の最後には,修士1年次に論文への質問メイルをしたことがきっかけで,その後研究について多大なサポートをしていただいているIroise Dumontheil先生,そしてあこがれのFrith先生とロンドン大学バークベック校で面談をし,私の研究について議論していただきました。そこで,Frith先生からご紹介いただいたのがキングスカレッジロンドンのGeoff Bird先生でした。
そのBird先生からのご提案でDumontheil先生と共同で受け入れていただくことになった3回目の英国滞在は博士課程2年次の2013年9月から2014年1月でした。最新の設備が揃った大学で研究を行うことができ,今後の共同研究についてお二人の先生方とお話することができたのは,とても刺激的でした。また,前年に日程が合わずに会えなかったBaron-Cohen先生とも面会することができ,有名な「サリーとアンの課題」を若干批判している私の論文について「とてもおもしろい!共同研究考えよう!」と言っていただけたのは最高に嬉しかったです!
院生時代に3度の英国滞在を経験しました。ペラペラとまでは行きませんでしたが,英語力も伸びた(はずです)し,小さなきっかけからどんどん紹介していただいて著名なパイオニアの研究者の先生方と出会い,自分の研究について議論したのは研究者としての私の一生の宝になるでしょう。修士1年の春には単なる語学留学に行こうとしていただけでした。冒頭の言葉で,そんな私の背中を押してくださった子安先生には感謝の気持ちでいっぱいです。そして,院生の皆さんに「研究で海外に行くのはお得!」とオススメしたいと思います。
ロンドン大学バークベック校にて Dr Iroise Dumontheil と
(日本発達心理学会 News letter 2015年2月28日 第74号より転載)
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